奇跡の百年桜
牛久市JR常磐線牛久駅構内
染井吉野
推定樹齢118年
JR常磐線牛久駅構内に、樹齢100年以上のソメイヨシノがあることを、ツイッターを通じて知りました。
「奇跡の百年桜」として、地元の人々に親しまれているそうです。
今回、ツイッターでこの桜の情報を発信されている「牛久桜子さん」から、写真と桜にまつわる逸話をご提供いただきましたので、紹介させてください。
写真撮影:上条ユキ
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奇跡の百年桜
今から118年前、明治29年(1896年)、牛久停車場(今のJR牛久駅)が開業しました。
この停車場の建設にあたっては、おとなりの茎崎村小茎(現つくば市)の「ヤマさん」が多くの土地を格安にて提供しました。開業時、ホームには沢山の桜が植えられ、毎年多くの利用客と地元の方々に安らぎと親しみを与えていたそうです。
昭和36年(1961年)6月1日に常磐線は電化され、その工事のため、開業時に植えられた桜の木は一本だけを残し、切られてしまったのです。奇跡的に残った一本は、ホームの外側にかなり大きく傾いた桜だったため、送電に影響ないと判断され命拾いしたそうです。
その奇跡的に一本だけ残された桜は、今でも西口交番の奥で美しい花を咲かせ、118年間、「牛久」という「まち」と常磐線を使う「人々」を見守り続けてきました。
私たちはこの桜を見るたびに、当時「ヤマさん」の大親友で植栽を申し出た「カワさん」との熱い絆を感じることができます。それは二人の「この地域が将来すばらしい街になってほしい」という、時空と世代を越えた熱い想いです。
大きな幹の半分は朽ちていますが、毎年堂々と咲き誇る姿を見るたび勇気が湧いてきます。
茨城県牛久市の牛久駅前に今も佇む「奇跡の百年桜」
この街を訪れた際は、ぜひご覧ください。
奇跡の一本桜に感動を受けた方々の手による歌が誕生しました。ぜひ聴いてください。
文:牛久桜子
100年さくらの物語(ピアノ伴奏)
ツイッター牛久桜子
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写真撮影:上条ユキ